あなた色に染まりたい
「紗羽、待って!」




美香の声に立ち止まると、後ろにいた子が見えた。


あ、蓮くんだ……




「蓮くんって、紗羽と同じアパートなんだって!」


「え、そうなの?」


「だから、紗羽さえ良ければ今日は四人で飲んで、帰りは蓮くんと帰りなよ。明日は送っていけないからさ」




美香はいつも帰りのことまで考えてくれる。




「蓮くんはいいの?突然こんな中に入って飲める?気を遣わない?」


「俺は大丈夫です」




爽やかな笑顔でそう答える蓮くんは、外見が大人びてるせいか、どうみても一年生には見えない。


この子、きっとモテるんだろうなぁ……


そう思うくらい、落ち着いた雰囲気を持っていた。




「じゃあ、四人で飲んじゃおっか?」
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