あなた色に染まりたい
「あ……うん。泣いてたらいつの間にか……で、深夜に寒くて目が覚めちゃった」


「俺、最低だ。何やってんだよっ」




蓮はうつむきながら、髪の毛をクシャクシャにかき回してる。




「蓮……今日は一人にしないで。ずっと傍にいて」


「あぁ……一緒にいるよ。ずっと傍にいる」




優しい声音でそう言った蓮は、ゆっくりと近づいてきて……あたしの唇にキスを落とした。


でも、慌てて蓮の胸を押す。




「うつっちゃう!」


「俺のせいで出た熱だからうつせよ」




そう言って、もう一度キスをした。


蓮のキスは好きだけど……




「…れ……ん、ごめ……しん……どいっ」




体が、限界だった……




「わ、わりぃ……やべっ、紗羽大丈夫か!?」


「ん」




蓮にはそう言ったけれど……


頭が痛い……


体がだるい……


クラクラする……


眉間にシワを寄せながら、目を閉じた。


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