あなた色に染まりたい
ボーッとしながら、部屋の中を見渡すと、あるものに視線が止まる。


手にとってフタを開けると……、薄暗い部屋でもキラキラしてるのが、わかる。




大輝……




プロポーズされた時は、正直ドキッとした。


好きとか嫌いとかじゃなくて、プロポーズなんて人生の中で、そんなに多くされるものじゃないから……、ドキドキした。




その時の大輝の顔は、凄く大人だった。


あたしの知らない顔……


この三年で、大輝もいろんな面で変わったんだろうな。




ガチャガチャ…


あ、玄関の鍵を回す音がする。


蓮?


手に持ってた指輪を元の場所へ戻した。




「あれ……紗羽?起きた?」


「うん。どこ行ってたの?」


「買い物……熱計った?」


「計ってない」




計ってみると、37.4℃まで下がっていた。


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