あなた色に染まりたい
「うん……その場に蓮もいたから」


「はは。大輝さん、すげぇ……やっぱ男らしいや」



晴希はきっと、彼氏である蓮が目の前にいるのに、プロポーズしたことに対して言ってるんだ。



「お、蓮」



蓮が食堂に入ってきた。



「あいつも疲れ切ってんなぁ」



ホントだ……遠目に見ても、なんかだるそう。


どうしたんだろう。



「紗羽も蓮と夜頑張ってんの?」



蓮から視線をそらせずにいたら、さっきと同様、ニヤリと笑いながら晴希が口を開いた。



「ご想像にお任せします」



晴希とは、まともに会話するとからかわれるだけ……


きっとこういう答えが、一番突っ込まれなくていいんだ。



「はは……紗羽は流すのうめぇなぁ。あーあ、俺も彼女欲しいなぁ……熱い夜過ごしてぇー」


「例の人妻誘ってみたら?」



み、美香!?


その例の人妻って……あたしのことなのにっ!



「美香、何言ってんだよ!あ、おまえ、あん時寝てたんだったな」



悟が焦って言う。



「俺、紗羽のこと誘っていいの?蓮の許可いらねぇの?」


「俺の許可って何すか?」


「あ、蓮。いやぁ美香がさぁ、紗羽のこと誘ってみたらって言うからさぁ」



晴希がいつものように、おふざけモードに入ったような気がする。


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