あなた色に染まりたい
「そっか……あ、蓮は何時に帰ってくんの?」


「今日は11時」


「じゃあ、ちょっとシャワー浴びてきていい?」


「うん、いいよ」



カチカチと音を立てている針を見ると……


九時半……


蓮はバイトを頑張ってるのかな……


その様子を想像すると、頬が緩んでくる。



晴希が浴びているシャワーの音が、心地よいBGMになってしまい、いつの間にか意識を手放してしまった――…





「……わ…さわ……」


「……ん…」


「そろそろ帰るぞ?」


「ん?」



眠い……



「さわー?」



目を擦りながら、テーブルにうつ伏せていた上半身を起こす。



「ん……あれ?……晴希だ」


「はは……やっと起きた」



あ……そっか、あたし晴希の部屋にいたんだった。



「あたし寝ちゃったんだね……今何時?」


「10時半。早く帰らねぇとやべぇぞ」



わかってるけど……


まだ眠いよ。



「晴希、眠い」


「だからって俺の部屋で寝るな。アルコールやめても、寝たら意味ねぇだろ?」


「あ、そっか」



確かに寝てしまった方が、危ないよね。


ここが晴希の部屋でよかった。


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