あなた色に染まりたい
いつも一緒にいるのに、それでも足りなくて、大輝と半同棲生活を始めた秋。


夕日のオレンジに包まれながら、キスをしたあたしの誕生日……


紅葉のオレンジに囲まれながら、抱かれた大輝の誕生日……


あの時は間違いなく幸せだった。




真っ白な雪に、真っ白な吐く息に、心まで真っ白に洗われた気がした冬。


雪が降り続ける中、これ以上ないってくらいに幸せな一日を過ごしたクリスマスイヴ。


年越しを一緒に過ごして、初詣で“ずっと一緒にいられますように”とお願いした。


叶わなかったけれど……


それでも大輝のことしか考えられなかったあの頃。


ホントに幸せだった。




大輝と出会って一年が経って、一緒にいられるのが当たり前だと思っていたのに……


< 211 / 423 >

この作品をシェア

pagetop