あなた色に染まりたい
帰りの車内は、行きとは全く違う雰囲気で……


お互いに楽しくしゃべりながら過ごした。




「紗羽はいつもこの間のメンバーでいるのか?」


「うん」


「俺がいた頃は晴希とはそんなに仲良くなかったよな?」




確かに……


飲み会で近くの席になったときくらいしかしゃべらなかったかも。




「晴希とは三ヵ月前から一緒にいるようになったの。あたしが変な男に狙われちゃって」


「変な男?」


「うん。とにかくしつこい人だったの。一人で受けてる講義の時にいつも声かけられてて、たまたまその講義が晴希と一緒だったから……」


「解決したのか?」


「うん。晴希と蓮に守ってもらった」




あれはホントに怖かった。


晴希に守ってもらって、蓮にガツンと言ってもらって……


結局あのあとは、一度も声をかけられることはなかった。


< 216 / 423 >

この作品をシェア

pagetop