あなた色に染まりたい
「……」

「……」




車が止まると、急に訪れた沈黙。


大輝に想いはないけれど、これでほんとに最後なんだと思うと、少し寂しい気持ちがわいてくる。


そんな沈黙を破ったのは、大輝だった。




「紗羽、またな」


「うん……またね、大輝」




きっと“また”は、ない。


でも何となく、お互いにそれを口にしていた。




そのまま車から降り、大輝の車が見えなくなるまで見送った。




部屋に帰ると、予想通り蓮があたしの部屋で待っていた。




「ただいま」


「おかえり」



玄関から見える位置に座っていた蓮は、立ち上がって、ゆっくりとあたしの前まで来た。




「おせぇよ……」




不安そうに揺らめいた瞳を隠すように、ギュッと抱き締めてきた。




「ごめんね」




蓮に不安な気持ちを与えてしまったことに、胸が痛む。


そのままあたしも、蓮の背中に腕を回した。




「紗羽」




顔を上げると、蓮のキスが落ちてきた。


ついばむようなキスがだんだん深くなって、舌が口内に侵入してくる。




「……んッ…ふ……」




そのまま一枚一枚服を脱がされた。




「蓮?」


「今すぐ、紗羽を抱きてぇ……」


「うん」




あたしも蓮の服に手をかけて、一枚一枚脱がせる。


お姫さま抱っこでベッドに運ばれて、そのまま蓮に抱かれた。


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