あなた色に染まりたい
「はは、ラッキーって何だよ。でもあん時はかなり焦った。断り続けてんのに、ずっとしつこく言い寄ってきてた女が隣にいたから」


「はは……それ災難」


「だろ?悟は?ねぇの……そういうの」


「俺はねぇなぁ」


「三人で飲んでた時は、悟はいつも寝るの最後だったもんね」




美香は弱くてすぐに潰れてたし、あたしは……自棄になって飲むことが多かったから、悟には随分迷惑をかけた。




「……そうだったな。いつも俺が世話とか片付けしてたよな」




懐かしそうに、笑みを浮かべながら話す悟。




「紗羽は?」




当然、あたしにもくるよね。


晴希は知らないから……


でも、醜態をさらすようで、あんまり言いたくないな。


そう思いながら、口を開く。




「あたしはしょっちゅうなくしてた」


「そうだったよな」


「あっでも、晴希みたいに目が覚めたら隣に男がぁー!ってのはないよ」


「記憶がなかったなら、そういうのあったかもしんねぇじゃん」




確かに、あり得なくもない。


でも、それがあるとしたら……




「そうなの?悟?」


「バッ、そんなんあるわけねぇじゃん。俺は美香一筋」


「じゃあ何もないね」


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