あなた色に染まりたい
さむっ……
翌朝、寒くて目が覚めた。
目の前には蓮の綺麗な寝顔がある。
蓮の足を枕にして寝ていたのに、いつの間にか蓮に腕枕されて抱き締められていた。
少し蓮に近づいて……、唇にチュッとキスをした。
「ん……さわ?」
「ごめん、起こした?」
「ん」
眠そうに目を細めながら、蓮からもキスをしてきた。
触れるだけのキス……
のはずが、だんだん深くなるから焦った。
ここ、晴希の部屋なのにっ……
絶対寝呆けてるよ。
「ちょっ、んッ……れん…」
胸を押すけど、寝呆けてる割りにはビクリとも動かない。
「朝から盛ってんなぁ」
晴希の声が飛んできて、蓮の胸をバシバシと叩く。
「れ、れん!」
「あ、わりぃ」
今度はすんなりと離れてくれて、ホッとした。
寝相の悪いあたしは、乱れた服を直してから、蓮の腕から出た。
悟と美香はまだ夢の中で、蓮はホントに寝呆けていたらしく、また寝てしまった。