あなた色に染まりたい
浮気
「まただ……」
「ん?紗羽、どうした?」
最近蓮に付きまとってる子がいる。
それも一人や二人じゃない。
中庭を歩いてる蓮を、食堂から見てるんだけど……
両手に花どころじゃない。
それに、蓮も多少は腕を払ったりしてるけれど、そんなに嫌な顔はしていない。
やきもち……
はぁ……見ないでおこう。
「紗羽?泣きそうだけど」
相変わらず美香は鋭い。
って、あたしが分かりやすいのかな。
美香には隠し通せないと思い、それを口に出す。
「ただの……やきもち」
「最近の蓮くんの人気は、普通じゃないもんね。あたしが紗羽でもおかしくなりそう」
「美香ぁー」
わかってくれたことに嬉しくなり……
向かい合って座っていたけれど、美香の隣に移動して抱きついた。
「よしよし」
あたしは、美香が柔らかく頭を撫でてくれる“よしよし”が大好き。
「紗羽、今夜は一緒に寝ようか」
「あはは……それ、いいね」