あなた色に染まりたい
やっぱり好き
夢を見た……
蓮が“紗羽バイバイ”と、笑顔で手を振りながら去っていく……
そんな夢。
現実になるのかな……
「……わ……さわ…」
「…ん…」
目を開けると、目の前には晴希の顔。
でもボヤけてる……
あ、あたしが泣いてるんだ……
夢の中でも振られるなんて……
もうダメなのかな。
そう思ったら、またポロポロと涙があふれてきた。
晴希が涙を拭ってくれるけれど、まったく追い付かない。
朝からずっと泣きっぱなしだし、ひどい顔をしてるんだろうな。
「今度は枕まで汚しちゃった。……ごめんね」
「だから、気にすんなって言ってんだろ?」
「でも……」
ここに来てからのあたしは、触れるものすべてに、涙のあとを残してる気がする。
「紗羽、座って」
突然晴希の口から発せられた言葉に、首をかしげながらも、起き上がって座る。
その瞬間……
ふわりと、晴希に抱き締められた。