あなた色に染まりたい
でも……




「晴希は知らないからさ。あたしにとって、二人はずっと特別だった。悟はお兄ちゃんのような、お父さんのような存在だったし、美香もお姉ちゃんだったりお母さんだったりした。二人とも大切な親友なの」


「さわぁー」




美香が顔を歪めて、そのまま泣きだした。




「あたしが今ここにこうやっていられるのは、間違いなく美香と悟のおかげ。二人がいなかったら……、この大学を辞めていたかもしれない」




あの当時の辛かった自分の姿を思い出して、あたしも涙があふれてきた。




「ほんとにありがとね。こうやってちゃんとお礼を言ったことがなかったから」




美香とあたしが泣いてる横で、悟も涙ぐんでる。




「そうだな……紗羽は、俺の妹みたいだったな。変な意味じゃなくて、可愛くて仕方なかった。数えきれねぇほどデートの邪魔されたけど、邪険にしようなんて思ったこともなかった」


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