あなた色に染まりたい
「ごめん……デートのことは悪かったと思ってる」


「はは……だから気にしてねぇって」




ほんとに申し訳なくて、項垂れながら言ったあたしに、悟はやさしく笑ってくれる。




「今紗羽が、こうやってちゃんと恋して幸せになってることが、俺はほんとに嬉しいよ」


「悟……ありがと」




そのやさしさに、胸の奥の方から、じわりじわりと熱いものが込み上げてくる。




「蓮、紗羽のこと泣かしたら、今度は俺が殴りに行くからな」


「はい。でももう泣かせませんから。不可抗力とはいえ、この間のことでかなり懲りたんで」


「だよなぁ……もう少しで寝取られるとこだったんだからな」


「晴希！！何であんたは、この空気を打ち壊すようなこと言うの！？」




美香が怒ってる。


でも、確かに今はみんなで感動してた場面だよね。


晴希らしいといえばらしいんだけど。




「晴希さぁ……あんたはいつまでも紗羽のこと想ってないで、早く新しい恋しなよ？」




美香が晴希の顔を覗き込んで言う。


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