あなた色に染まりたい
「ふふ……それが美香の愛情表現なんでしょ?」


「ちょっ、紗羽!誤解生むような言い方しないでよ!」


「はは、ごめん」




頬を膨らませながら言う美香が、凄く可愛い。




「でもさ……俺、ずっとこのままいきそうな気もするわ」




晴希がさっきと同様苦笑いを浮かべたまま、伏し目がちに口を開いた。




「何で?」


「だってさ、職場まで一緒なんだぞ?」


「でもたぶん部署は違うよ」




晴希とあたしが希望する部署は全く違うんだから。




「だとしても、顔は合わせるだろ?会ってるうちはなかなか忘れらんねぇだろ」


「もっといい女が目の前に現れたりすりゃ、また変わってくるんだろうな」




なんて、悟は言うけれど……


いい女って何?


その辺にいっぱいいるのに……




「なかなか紗羽以上の女は現れないね、きっと」




美香まで……




「いっぱいいるよ?あたしなんかよりいい女は」


「紗羽は無自覚だからな……蓮も苦労するな?」


「わかってくれます?」




あたし以外の四人で繰り広げられている、この会話。


何で苦労すんの?


全然わかんないよ……


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