あなた色に染まりたい
「こういうストレートな感じがいいんだよな。そういうとこが可愛い……あ゙ーっ、やっぱ忘れるなんて無理だ」


「晴希も切ない片思いが続きそうだね……あは」


「笑うなよ、美香」


「でも今の晴希はカッコいい。そんだけ一途になれるのは凄いよ」


「サンキュー」




美香と晴希のそんな会話を聞きながら、蓮はずっとあたしを見てて……




「紗羽、そういう想いなら俺も負けねぇけど。……三年待っててくれよな。三年後、紗羽のここをうめられるような男になれるように頑張るから」




そう言って蓮の指が触れた場所は……




あたしの左手の薬指。




「予約しとく」




涙がホロリとこぼれた。




「あたしも蓮の隣にいて、恥ずかしくない女でいられるように頑張る」


「紗羽はそのままでいいよ……そのままが、いい」




蓮の優しい笑みを見上げていると、胸がきゅんとなった。




「ちょっ、プロポーズ!?」


「やべっ、蓮に先越された!」




美香と悟が騒いでるけれど、あたしは目の前の蓮しか見えなくて……


そのまま……


蓮の胸に飛び込んだ。


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