あなた色に染まりたい
どうしよう……


涙が次から次へと溢れてきて……


その涙が邪魔をして……


声にならない。




「……れ……んッ…」




そう言うのが精一杯で……


そのあとは、言葉にならないから……


蓮の大きな胸に飛び込んだ。




「れ…ん……れん…れん」




何度も何度も蓮の名前を呼んだ。




「紗羽、誓ってくれる?」




あたしの顔を覗き込んでそう言った蓮に、コクンと頷いた。




「じゃあ、……誓いのキスをしよっか?」




蓮の長い指が、あたしの頬を伝う涙を丁寧に拭っていく。


その仕草に、蓮のその表情に、胸がきゅんとなる。




“誓いのキスをしよっか?”




気付いたら……


あたしから……


蓮の綺麗な唇に……


あたしのそれを重ねてた――…
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