あなた色に染まりたい
「えっ!?やだよっ!絶叫系を楽しみに来たのに、乗れなかったら意味ないじゃん!」



何のために遊園地へ来たの?



「紗羽が悪い」


「あたしの誕生日なのに……」



てか、あたし悪くないもん!


おしゃれして何が悪いのっ!?


真っ直ぐ前を見て列に並ぶ、蓮の横顔をジッと見つめる。


蓮ってこんな性格だったっけ?


いつもあたしの意見を尊重してくれてたのに。


スカート一枚で絶叫系に乗れないなんて……


あり得ないよ。



「ん?何?」



あたしの視線に気づいたらしい。


でも――



「何でもない」



と、ついそっぽ向いてしまった。


わっ、あたし可愛くない。


その態度に蓮は何も言わなかったけれど……


その代わりなのか、繋がれた蓮の手に、ぎゅっと力が入った。


そのあと順番がくるまで、どっちも無言だった。
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