あなた色に染まりたい
「あー、俺、最悪だっ!紗羽、今から絶叫系乗るか?」




首を横に振る。




「もう乗らなくていい」




そんなものより、今はこうやって蓮とくっついていたい。


蓮の腰に回した手に、ぎゅーっと力を込めた。




「紗羽、観覧車に乗ろうか?俺、二人きりになりてぇ」




その言葉に、トクンと胸が高鳴る。


でも……




「あたしも、……二人きりになりたい」




そのまま、観覧車乗り場まで歩いて、列に並んだ。


走ってあたしのもとにやって来た蓮は、全身汗だくで、きっとあたしを探して走り回っていたんだろうって思った。


こんなに愛されてるのに……


今のあたしがあるのは蓮のお陰なのに……


ひどいことしちゃった。



“蓮を困らせたい”なんて、思わなければよかった。


列に並びながら、蓮の腕にあたしのそれを絡ませる。
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