あなた色に染まりたい
アパートにいることが落ち着かなくて、いつもより早く大学へ向かった。


つーか、大学に早く来てもつまんねぇ。


食堂の片隅に座って、そこに置き去りにされていた雑誌を手に取り、パラパラとめくる。




「……」




やっぱり面白くねぇ。



はぁー



無意識にため息をついたとき、




「あっ!蓮くん!」




少し離れた場所から、同じゼミの女が声をかけてきた。




「今日は早いんだねー」


「まあな」




必要以上に体を寄せてくるけど、こういうのはほんとに苦手だ。




「あっそうだ!これっ!」




目の前の女がそう言って手渡してきたもの。




「……」




真っ赤なリボンを見ると、やっぱり胸がいてぇ。




「ごめん。俺、彼女以外からは受け取らないから」
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