あなた色に染まりたい
「俺はいつも、好きな子からのチョコしかもらわない」


「えっ」




思わず目を見開いたまま固まってしまった。


好きな子からのチョコ?


えっ、あたしのチョコしか受け取ってないの?


どうしよう……


凄く嬉しい。




「開けていい?」


「えっ、うん」




嬉しさのあまり、ポーッとしていたから、返事がどもってしまった。


蓮はそんなあたしの様子に笑みを浮かべながら、真っ赤なリボンに手をかけてほどいていく。




真っ赤なリボン……




昨年もこのリボンだった。


この赤にすると、また同じことを繰り返しそうで怖かった。


だから、今年はピンクにしようと思ってた。


でも、いつまでも昨年のことにとらわれていたくないなって、そう思ってあえて赤にした。


蓮は気付いているかな?
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