あなた色に染まりたい
そんなことを考えている間に蓮は、そのまま包装紙も開いて、箱を取り出した。




「ケーキ?」




箱の中を覗き込んでから口を開く。




「うん」




そのまま一口サイズに切ってあるケーキに手を伸ばして、口に運んだ。




「うめぇー。紗羽も食う?」




そう言いながら、指についてるチョコをペロペロと舐めている蓮に、凄くどきどきしてきた。


な、なに……


この色気は?


ずっとその口許を見ていると




「紗羽?」




そう言って、蓮が顔を覗き込んできた。




「わっ!な、なにっ!?」




あまりの近さに、どきどきがさらに大きくなる。




「紗羽も食う?」


「う、うん」




高鳴る胸を押さえながら、箱の中に手を伸ばすと




「違う」




そう言った蓮に、遮られた。
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