あなた色に染まりたい
「宿泊券が届かなくてさ」
「えっ!?」
さらっと言ったけど、宿泊券がなきゃ泊まれないじゃん!
無意識に不満げな顔をしていたんだと思う。
蓮はそんなあたしを見て、苦笑ながら手違いの理由を口にする。
「俺が彼女と行くって知って、わざと取りに来させようとしてんだよ」
「誰がそんなこと!」
ついキレ気味で蓮に突っかかってしまった。
でも蓮は、そんなあたしを宥めるようにやさしく頭を撫でながら、混雑した中わざわざ寄らせようとしている面倒くさい人の名を口にする。
「……兄貴」
「えっ!お兄さん!?」
予想外の人物に、あたしの中にあった“怒”の部分がどこかへいってしまった。
「紗羽、ごめんな。少し遠回りになるけど、宿泊券がねーと泊まれねぇし、兄貴んとこ寄るな?」
「えっ!?」
さらっと言ったけど、宿泊券がなきゃ泊まれないじゃん!
無意識に不満げな顔をしていたんだと思う。
蓮はそんなあたしを見て、苦笑ながら手違いの理由を口にする。
「俺が彼女と行くって知って、わざと取りに来させようとしてんだよ」
「誰がそんなこと!」
ついキレ気味で蓮に突っかかってしまった。
でも蓮は、そんなあたしを宥めるようにやさしく頭を撫でながら、混雑した中わざわざ寄らせようとしている面倒くさい人の名を口にする。
「……兄貴」
「えっ!お兄さん!?」
予想外の人物に、あたしの中にあった“怒”の部分がどこかへいってしまった。
「紗羽、ごめんな。少し遠回りになるけど、宿泊券がねーと泊まれねぇし、兄貴んとこ寄るな?」