あなた色に染まりたい
あまりの衝撃に、あたしはポカンと口を開けていたらしく……



「ぷっ」



隣にいた蓮が、あたしの顔を見て吹き出してしまった。



「な、なにっ!?」


「紗羽、なんつー顔をしてるんだよ。口半開きだぞ」


「えっ、嘘っ!?」



慌てて、右手で口許を覆う。



「もう遅いって」



そう言った蓮は、いまだに可笑しそうに笑ってる。


あー、大失態だ。


ちらっと、蓮の隣へ視線を向けると……


蓮と同じ切れ長の瞳がこっちに向いていて……


雰囲気は全然違うのに、所々蓮に似ているなぁと、つい観察するように見入ってしまった。


そしたら、その瞳が細められて……



「蓮の彼女だろ?俺に惚れた?」



と、意味のわからない言葉を投げ掛けられた。
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