あなた色に染まりたい
その日はそのまま先輩に送ってもらった。


アパートに着くと、また吐き気が襲ってきた。


先輩に『帰っていいですよ』と言っても、『そんな状態の紗羽(サワ)を一人にできない』と言って、結局ずっと一緒にいてくれた。



明け方くらいからはだいぶ落ち着いて、今度は眠気が襲ってきた。


いつのまにか眠っていたあたしを、先輩はベッドの中で抱き締めてくれていた。



だから朝目が覚めたときは、めちゃくちゃ驚いた。



『せ、せ、先輩っ!』


『あ……紗羽、おはよう』


『えっ、あ、おはようございます』



かなり動揺しているあたしとは正反対で、先輩は涼しい顔をして笑っている。



『紗羽、俺と付き合ってくんない?』



長い長い夢の続きだと思った。


一緒にベッドで寝ていることも、抱き締められていることも、この告白も――
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