あなた色に染まりたい
「だから、あたしも二年前と変わらない気持ちだよ。あっでも……

あの頃よりも、好きって気持ちはもっともっと大きくなってるけどね」



笑みを浮かべながらそう言うと、蓮はパッと顔をそらして



「紗羽、それはやべぇって」



絞り出すように声を出す蓮。


でもなにがヤバいのかが、わからない。


そう思っていたら、頬を少し赤く染めた蓮が、口許に手を当てながらこっちを向いて……



「俺の心臓を壊す気?」


「えっ」


「今の言葉、すっげーどきどきしたんだけど」



蓮はまた視線を反らしながらそう言ったけれど……、今の言葉?


どきどきするようなことを言ったっけ?


首を傾げながら考えていたら、いつの間にかこっちに視線を戻していた蓮があたしの顔を覗き込んできた。
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