あなた色に染まりたい
目の前に現れた蓮の顔は、さっきまで見せていた赤みは、跡形もなく消えていて……


その表情は、胸をドキンッと高鳴らせるほどの凛々しいもので。



「蓮?」



こんな表情はなかなか見られないから、心臓がさらにどきどきと激しく動き始めた。



「あたしもっ……壊れちゃうよっ」



そう言って、真っ直ぐ見つめてくるその瞳から、視線を反らせた。


その瞬間、蓮の指があたしの顎にかかって、それをクイッと持ち上げる。


そして、そのまま近付いてきた蓮の唇と重なった。


最初は、ちゅっ、ちゅっ、と触れては離れる……そんなキス。


それを数回繰り返したあと、今度は顎にかかっていた手が後頭部に回り、唇を強く押し付けてきた。


そうなったらもう蓮のペースで。


すぐに唇を割って舌が侵入してきた。
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