あなた色に染まりたい
あの場所
アパートに着いたら、なぜか蓮もあたしの部屋に入ってきて……二人で床にゴロンとなった。
「蓮、運転したから疲れたでしょ?自分の部屋に帰ったほうが休めるんじゃないの?」
結構長い距離を運転してきたから、凄く疲れていると思い、それを口にする。
でも、蓮の口からは、またあたしをドキッとさせる言葉が飛び出してきた。
「紗羽さんの顔を見てたほうが休まる。」
そう言った蓮は、寝転んでるあたしの顔を上から覗き込んできた。
「蓮……どうしたの?」
真剣な眼差しをしている蓮の口から、飛び出した言葉……
「紗羽さん、ピンクじゃない時に行ってみねぇ?」
“まさか”と思いながらも、問い掛けてみる。
「……どこに?」
「紗羽さんが胸を痛めた場所。」
「……」
“胸を痛めた場所”なんて……あの場所しか、ない。
「俺さ、本気で紗羽さんのこと支えてぇって、紗羽さんの力になりてぇって思ってる。」
「……うん。」