あなた色に染まりたい
うん……


確かにここへ足を向けたことだけでも、すごい進歩なんだけど……



どこかで、蓮との未来を早く考えたいって、そう思っているあたしがいる。



だから、もう少し頑張ってみたい。



「……もう少し、頑張る。」



「ん。」



蓮のその穏やかな笑みに、一抹の勇気が湧いてくる。



蓮と繋がれた手にギュッと力を込めてから、またゆっくりと歩みを進めた。



右、左、右、左…



「あ…」



進めば進むほど、違和感を感じる。



おかしい…


こんなのおかしい…




ピンクじゃないのに…


今はグリーンなのに…





目の前には、ピンクの桜と……


だい……き?



そんなはずはない。



幻覚?



キーーーンッ……



と、耳鳴りがする。



「…ぃ…ゃ…」



やめてっ――…





気が付けば“いやぁー!”と叫びながら、両手で両耳を塞いで、目もギュッと閉じてしゃがんでいた。


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