あなた色に染まりたい
あの頃は……


これからの大学生生活にワクワクしていた。



大輝に一目惚れして、恋をしてるという毎日が凄く楽しかった。



そんな時の……あたし?



でも……


そうかもしれない。



『何が?』って聞かれてもうまく言えないけれど、最近はホントに楽しい。



無理に笑ったりとか、無理に周りに合わせたりということがなくなってきた。



やっぱり、これって……蓮のおかげ?



蓮に惹かれ始めてるってことなのかな。



そう思ったら……



「行ってみようかな。」



無意識に、そう呟いていた。






この日は、あたしの方が蓮より早く講義が終わったから、先にアパートへ帰ってきた。



部屋に入ると、とりあえずベッドで横になった。



天井を見ながら、蓮にどうやって話そうかと考えていた。



でも、時間ばかりが過ぎて……


結局答えは出ないまま……


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