あなた色に染まりたい
 付き合って一ヶ月の時には、あたしの初めても捧げた。


誕生日もクリスマスも年越しもバレンタインもホワイトデーも……


カップルが過ごすイベントはいつも一緒に過ごした。



大輝はまったく変わらなかった。


だから気付かなかったんだ。


浮気していたこと……


ううん。


いつのまにか、あたしが浮気相手になっていたのかもしれない。



あのピンク色の下で乱れる二人を見た時、ショックすぎて足が動かなくなった。


でもそんなあたしにはまったく気付かずに、二人はさらに乱れていく。



気付いた時には自分のベッドの上だった。


アパートに帰ってきたことを、まったく覚えていなかった。


だからあれは夢だったのかも……とさえ思った。



でも……


あたしの服にくっついていた花びらが、現実だったことを教えてくれた。
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