あなた色に染まりたい
告白
夏休みに入って、蓮は居酒屋でバイトを始めた。
蓮と一緒に過ごす時間が半分に減ってしまったけれど、蓮への気持ちに気付いたあたしには、ちょうどよかった。
蓮と悟のバイトが重なった時には、美香をうちに呼んで、飲みながらガールズトークを繰り広げたりした。
今日も美香と一緒に飲んだ。
「ねぇ紗羽。最近、蓮くんのこと意識してるでしょ?」
「さすが美香だね。」
美香はいつも、最初から的を得てくる。
大輝の時も、何から何まで見抜いていた。
「それで、どんな進展があったの?」
お酒に弱い美香は、頭を少しフラフラさせながら、あたしの顔を覗き込んで聞いてきた。
「蓮への気持ちに気付いた。」
「好きだってことに?」
「うん。」
美香にはそれがわかっていたのか、満足そうに微笑みながらさらに口を開く。
「じゃあ、付き合い始めたの?」
「ううん、まだ想いは伝えてない。」
「何で?」
ここは予想が外れてしまったのか、今度は眉間にシワを寄せる。
「大輝とのことをちゃんと終わりにしてから、蓮に想いを伝えたいんだ。」