あなた色に染まりたい
唇はすぐに離れて、蓮はギュッと抱き締めてきた。




「あー夢みてぇ……信じらんねぇ。」




ふふ…


抱き締められている蓮の温もりと、目の前にある蓮の笑顔に、心が温かくなって……幸せを感じる。




「これ、夢じゃねぇよな?覚めたりしねぇよな?」




いまだかつて、見たこともないようなはしゃいだ蓮の姿を見ていると、自然と頬が緩んでくる。




「あはは、蓮っておもしろいね。」


「だってさ、ずっと片思いだったからさ。なんかホントに信じらんねぇ。」




すぐそばにある蓮の笑顔を見ながら、ふと思ったことを口にする。




「ねぇ蓮……“紗羽”って呼んで?」


「紗羽……」


「うん。」


「紗羽、好きだよ。」


「あたしも、蓮が好き。」




もう一度、唇が重なった。




「…んっ……ん…」




だんだん深くなっていくキスに、体がどんどん熱くなっていく。




でも……すぐに唇が離れた。




「蓮……もっとして。」




正直、足りなかった。


蓮のことを好きになりすぎて、もっともっとキスをして、触れ合いたかった。


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