奇跡みたいな奇跡

たっちゃんはゆっくり
離してこぶしを広げてきた

「きれぇい！」

たっちゃんの指と指の間には
クローバーのネックレス
が輝いていた

「これ乃ノ香にプレゼント」

たっちゃんはニッと笑って
ネックレスをつけてくれた

「すごいうれしい！
　でもこれ罰じゃないね？」

たっちゃんを見上げると
ハァとため息をついて呆れていた
たっちゃんに悪いこと言っちゃたかな？

「本当に乃ノ香をなぐれるかよ！？」

たっちゃんは私の額をコツっと１回

「あ　たっちゃんなぐった！」

こんなじゃれあいもいつの日か・・・
あのころは幸せでいっぱいだった

あのころにもらったネックレス
すごくすごく嬉しかった