奇跡みたいな奇跡
「最悪だ・・・私」

なにやってんだろ
みんな黒い服を着ていて
みんな悲しんでいて
苦しそうで

たっちゃんは写真の中で笑っていて
たっちゃんの周りには花ばかりで

「あなたが乃ノ香さん?」

声をかけられたほうを見ると
そこには知らないおばさんが立っていた

「えーと、、、」

どう反応していいか分からなかった

「初めまして樹の母です」

そっか、よくみたらたっちゃんに似てる
会ったことなかったっけ?

「初めまして椎山乃ノ香です」

「ありがとうね樹を好きになってくれて
これ、樹に持って行ってあげて」

そこに渡されたのは
1輪の花だった

これで本当にお別れなんだ
と思ってしまう

私はその花を樹のほうに
持っていく





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