奇跡みたいな奇跡
私は出来る限り大きな声を出した

聡哉とてっちゃんはピタッと
止まってくれた

「もう、いいの
私はこの世には必要ないから
私がいるせいでみんなが不幸になる!
こんな私なんて消えた方がいいんだよ!!」

「何言ってんだよ・・・
こっち来てくれよ・・・なっ?」

そんなこと言ってももう遅いよ・・・

「もう決めたの!もう止めないで!!
来たらすぐに飛び降りるから」

そのとき友恵が勢いよく
私のとこに向かってきた

バシン

頬にすごい痛みがはしった

「乃ノ香のバカ!!
なんなの!?
乃ノ香、いい加減にしてよ!?」

友恵の目から涙がどんどん
溢れてきた

「てっちゃんが可哀想だよ
本当にてっちゃんは乃ノ香のこと
好きなのに乃ノ香はたっちゃんとして見て
この悲しい気持ちが乃ノ香には分かる!?」

友恵は強く腕をつかんできた

「もうたっちゃんは死んだんだよ!!
もう戻っても来ないたっちゃんを思って
どーするの!?
自分が辛くなるだけだよ・・・
その辛さは私達も辛いんだから!!」

友恵は私を優しく包んでくれた


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