奇跡みたいな奇跡
「本当は分かってるんでしょ?
私も聡哉に恋をしてたくさん辛いことがあった
辛さはちがっても辛い気持ちは変わらないんだよ
もう過去なんて切り捨てよ?
もう乃ノ香の苦しんでるとこなんか
見たくないよ・・・」

私も友恵を包んだ

私も涙をこばして泣いた
分かってる・・・
たっちゃんはいくらさけんでも
わめいても戻ってこないって

でもどこかたっちゃんは戻ってくるって信じてる
自分がいた

それをずっと思ってると
もうたっちゃんに依存してたんだ、きっと

こんなことを気付いたのは
友恵のおかげでもある

自分が自殺しようと思ってたことが
バカバカしく思えた

「友恵。ありがとうね
こんなこと、人の口から言ってもらって
気付く私なんて情けないけど
友恵が言ってもらってなかったら
もう私はこの世にいなかったと思うんだ」

友恵はコクコク首を縦に振った

私はたくさんの人をたくさん傷つけてしまった
でも、それを通して自分はまた強くならないと
いけないって思えるようになった

それはみんながいたから私は
強くなれた気がする

泣いて苦しんで悩んで
こんな人生は嫌だって思ったけど
こんな人生があるから楽しいんだ
強く素敵になれるんだ


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