奇跡みたいな奇跡
「おい、スマンが俺たちも
いるってことを忘れてないか?」

聡哉がゴホンとせきばらいをした
てっちゃんは顔をうつむいていた

そうだ・・・
まだ終わってない
言わないといけないことがまだある

「てっちゃん・・・」

私はてっちゃんのところに行く
てっちゃんは少し目が潤っていた

「ゴメン・・・
私はすっごいてっちゃんに最低なこと
をしてしまってた
ふつうたっちゃんに見立てたらいけないことだよね
だから、もうこんなことは辞めようてっちゃん」

てっちゃんはすごく辛そうだった
今でも泣きそうな顔だった

「乃ノ香は悪くないから
俺がそれでも良いって思ったんだ
乃ノ香のせいじゃない」

てっちゃんは最後に辛そうに微笑んだ

「ごめんね。もう私の事で悩まないでほしい
また、違う新しい恋をてっちゃんにしてほしい」

私はてっちゃんに図々しいことを言ってるけど
本当にてっちゃんには私が苦しませたぶん
幸せになってほしい
これが私の願い

それは聡哉も同じ
次は聡哉の方に向かった

「聡哉。私を最後まで好きになってくれてありがとう
それから、中途半端なことして聡哉にたくさん
辛い思いをしてしまって本当にごめん」

聡哉は首を横に振った

「違うんだ・・・乃ノ香は俺にちゃんと
答えを言ってくれたんだ
でも俺は諦めれなくて好きで・・・
好きで・・・乃ノ香に考えさせてしまったんだ」

私の胸は今ズキズキしてる
あたりまえなんだ恋ってそんなものだから

「それから、最後あんなことをして
まじゴメン。俺はもうあいつらにあんなことを言われて
余裕がなくなってたんだ
正直、焦ってた」

「あの人達なんて言ったの?」

聡哉は顔をうつむいた

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