奇跡みたいな奇跡
「なんで、ユリなんだ?」

聡哉はヒョコッと現れて
私のうしろにいた

「たっちゃんはユリが好きなんだよ」

「へぇ~」

そう言って聡哉は別の花を見に
どこかに行った

「おまたせいたしました。」

私はお会計をすませてみんなのところに
向かった

外に行くと
もう聡哉は出ていた

「お~って…なんでユリ?」

友恵は不思議そうユリを見ていた

「たっちゃんが好きだから」

友恵は納得したのか微笑んだ

次は線香を買いにお店に向かい

聡哉に場所を案内してくれた

「これがたっちゃんの墓だ」

私の前には石村 樹と書いてある
墓があった

ズキン…

やっぱりたっちゃんのお墓を見るのは
すごく辛い

でもこれが本当の最後の別れに見えた気がした

私達はみんなでお墓を綺麗にして
線香を立てて最後にユリを供えた

そして手を合わせて目をつぶった




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