奇跡みたいな奇跡
「おかえり」

いつものかけ声

「ただいま」

「今日いつもより遅かったわねぇ?」

「うん、ちょっとね・・・」

友達と遊んでたわけでもない
ただ、泣いてたんだ
泣きやむまでずっと

きっとたっちゃんのこと
を思い出してもっと
もっと泣いてしまった

たっちゃんに会いたいって
思ってしまった

泣きやんだ頃には夕暮れ
もすぎていた

「そう。じゃあお風呂に入りなさい」

「うん」

私は自分の部屋にスクールバック
を置いてお風呂に向かった

「・・・」

私の体には痛々しいアザがあちこち
にあった

はぁ~
でもあまり見つかれにくい
ところで良かった

私はお風呂をなるべく早く
あがった
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