奇跡みたいな奇跡
「いねーよ!!」

聡哉は大きな声で怒鳴った

「ごめん・・・・
でも俺だけを見てほしい」

「聡哉・・・
でも・・・ごめん
やっぱり私、たっちゃんのこと
が好きだから・・・」

「なんでだよ・・・
なんでなんだよ」

「ごめん・・・」

「だって樹はもういねぇんだぜ?」

「ごめん・・・」

「なんでもういない人を好きになれんだよ」

分からない・・・
でもまだたっちゃんのことを
思ってる自分がいるんだ

私はしゃがんだ聡哉を抱きしめた
本当にごめん・・・

きゅうに聡哉のくりっとした目
が私を見つめた

「でも・・・俺
あきらめねぇ
チャンスなんだ・・・
のがさない・・・
もう少し考えてくれ」

そして
聡哉とお別れをした

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