Brilliant Dream
数分後、芙由が3番ピアノ室に入ってきた。

「私が最初でいいかい?」

「うん」

「もううちらただの『人』でいいね」

「え…?」

「最初に言っておくけど、仲間だとか友達だとか、そんなこと思ってないから」

─じゃあ私の立場は何なの?

「こなちゃんってさ、よくそんな性格でボーカルやっていけたよね。こなちゃんと同じ高校の人から聞いたけど。最初のライブのときなんか、泣いてライブどころじゃなかったって…。何で言わなかったの?」

─そんなこと言えるわけない。

「それとさ、よくそんな性格でバイトやっていけたよね。今やってるかどうかわからないけど」

「やってないよ…」

「やってないのかい?でも就職したらやっていけないよ」

「…」

「正直言って、2年生のときからクラス離れてよかったと思った。友達に誘ったのは、あなたが『かわいそう』だったから。遊びも、姫香ちゃんに『かわいそうだから誘おうよ』って言われたから。決して私からあなたを誘うことなんてなかった」

─結局、全部、「嘘」…?カワイソウ…ッテ ナニ?
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