Brilliant Dream
数分後、姫香が3番ピアノ室に入ってきた。

「落ち着いた?」

「もう、ダメだよ…」

「手紙に、『今までのこと嘘かホントか知りたい』って書いてあったけど、今までのこと嘘だったら、1年生のうちに縁切ってたと思うんだ…」

─そんなことを知りたいわけじゃない。

「それと、何で自分だけに手紙書いたの?まさか破り捨てられるとでも…」

─まずは姫香ちゃんに渡そうと思ったから。

「…」

「…」

2人の沈黙は5分ほど続いた。先に口を開いたのは姫香だった。

「ねぇ、何で墓穴を掘るの?」

「わからない…」

─そんなこと知らないよ…。

「この前の話し合いのこと忘れてない?」

「忘れてないよ…」

─忘れてるのはそっちでしょ?
< 28 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop