Brilliant Dream
「あの、何で私を留年させてくれなかったんですか?」

「それはね、琴那ちゃんの出席率が高かったからだよ」

「そうですか…。返されたお菓子とか、どうしよう…。私、もう頑張れないです…」

「頑張らなくていいんだよ。琴那ちゃんは、もう頑張ったじゃない。返されたものは、誰かにあげるか食べるかすればいいんじゃない?」

「そうですね…。お金の無駄ですけどね」

「琴那ちゃん…その腕の傷…」

「あ…おかしいですよね…」

「おかしくないよ。わかるよ、やり場がなくてやっちゃったんでしょ…」

「はい。芙由ちゃんが言ってた、クラス離れてよかったってこと、薄々気付いてました…」

すると、B組担任の細谷先生が乳児保育室に入ってきた。

「長尾先生、琴那ちゃんは大丈夫ですか?」

「落ち着きましたよ」

「よかった。琴那ちゃん、もう遅いから帰るんだよ」

「はい」

琴那は乳児保育室から出ていった。
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