魔法使い相談所
つまり、媒体を手に持つことで、自分の身の安全を保つということだ。
それに代わるものであればなんでもいいのだろう。
「自分の魔力を使うなら、いつも同じ魔法しかつかえないんじゃないですか?」
「は?色々使えるに決まってるだろう。魔力は文字どうり魔法を顕現させるための力。言うなれば料理器具みたいなもんだ。異なる材料さえ入れりゃ、色々な料理ができる」
「説明はありがたいんですが、なんか無性にムカつく」
こちらとら
魔法が本当に存在すると知ったばかりなのに
『なにこいつ、一般常識も知らないのかよ』的な心底呆れた目が頭にくる。
ジロッと睨み付けてはみたものの
「で、材料は―――」
普通に話を続ける辺り、効果はないようだ。
ああもう。
この人には何を言っても暖簾に腕押しのような気がする。