羽田くんとうさ子の関係。





『シフトに一時期入らずに余裕が持ててきたらまた入ってもらうこともできるんだよ?』



「……すいません」



『それも無理なんだね』



「…はい」




羽田くんは大学4年生。

春から社会人になる。


だから羽田くんももう少しで辞める。


羽田くんと会わなくなる。

でも、それじゃあダメなんだ。



あのコンビニにいたら羽田くんとの思い出を思い出して辛い。




本人がいないのに思い出はいっぱい…。


きっとそんな所にいたら忘れようにも忘れられない。




だから、あたしは辞めることを決めた。





『原田ちゃんは1年生の頃から頑張ってくれたね』



「…店長」



『原田ちゃんが3月からいないんだね。寂しいな』



店長の言葉に涙が出そうになった。

喉が痛い…。




『2年6ヶ月、お疲れ様』



とうとう店長の優しい声に涙が流れてしまった。



「店長…まだ2ヶ月残ってますから」



『そうだね…じゃあ、手続きしておくね』



「お願いします」



声は涙で震えていた。



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