羽田くんとうさ子の関係。
「付き合った次の日ね、みぃくんニヤニヤしながら『おめでとう』って言ってくれたの。
…亮平から電話で聞いたんだって」
バカにしたように言ってくれたけど、本当に心から言ってくれた言葉と分かっててすごい嬉しかった。
「別れた次の日は…あたしが起きた時には家にいなかったの」
「なんで?ハラどこに行ったの?」
「亮平の所…みぃくん別れる時の電話隠れて聞いてたらしいの」
「盗み聞き?」
「うん、後でごめんって謝ってきたけど…朝から亮平を殴りに行ったんだって」
夜に帰ってきたみぃくんはあたしの部屋に来ると悲しい顔をして、優しく頭を撫でてくれた。
「みぃくんもね、『あんな最低な奴は忘れろ』って言ってた」
「ハラはシスコンだもんね。宇佐美が傷つけられて、親友でも爆発したんだね」
「うん、みぃくんはあたし大好きだからね」
「開き直るな」
でもね、啓子。
本当はこの話には続きがあるんだよ。
『あんな最低な奴は忘れろ』と言ったみぃくんはその後、あたしに背を向け言った。
『あいつとは縁切ってきた。だから、もうあいつは俺らと無関係だ。
親友でも幼なじみでもなんでもねー』
みぃくんの握り拳は震えていた。