羽田くんとうさ子の関係。
『いつもなら別にカップルなんて興味ない。けど、女が男のことを“亮平”って呼んだ声が聞こえた瞬間、すぐにそのカップルを見たの』
「……ん」
『カップルの男はやっぱり予想してた通り、上田だったわ。あたし分かった瞬間、腹立っちゃって、駐車場に着いても親に訳言ってカップルに着いて行ったの』
「…」
さすが啓子。
考えたらすぐ行動する女だ。
『それで後ろから盗み聞きしてたらなんの話ししてたと思う?』
「え…分かんない」
『宇佐美、あんたの話しだよ』
「え…」
会話の内容があたし…?
『女と手を繋ぎながら“俺の初恋は隣の家に住んでた子だった。まぁ、付き合うこともなく、ガキの可愛らしい恋で終わったけどな”って笑いながら女に言ってた』
「…」
携帯を持つ力が一気に抜ける。
『あたし…もう我慢できなくて上田に近づいて殴っちゃったの…』
「…フッ、それみぃくんと一緒じゃない」
笑って言うけど声が震える。