羽田くんとうさ子の関係。



『…殴って上田を睨みあげると、一瞬焦った顔をしたけど、すぐにキレて怒ってきたの』



「…」



『あたしその態度にも腹が立って、隣にいた女に全部言ったの。

“あなたの彼氏さん、あたしの親友と付き合ってましたよ。それもあなたと付き合っている同時期に。彼氏さんからの告白で。

それもその子、こいつのお隣さんだったです”って』




“宇佐美っ”




『あたしが全部言った瞬間、上田慌て出してもっと…宇佐美の悪口言い出したの』



“俺、ずっと前から宇佐美のこと好きだった”



『宇佐美、あいつもう最低の最低だよ』



“宇佐美、俺と付き合って下さい”



「啓子…」



あたし…


「17年間、亮平の何を見てたのかな…?」



『…』



ずっと好きだった。

亮平がずっと好きだった。



でも、亮平にとってあたしへの恋はガキのような可愛らしい恋。



「あたしだけ…あたしだけ本気で亮平を想ってた」


< 77 / 223 >

この作品をシェア

pagetop