恋の魔法と甘い罠
慌ててあたしも残っているカクテルを飲んでからバッグを手に持ち立ち上がって和泉さんを追いかけた。
そしたら既に会計を済ませたあとで。
「あ、お金!」
店のドアをくぐって外へ出ようとしている和泉さんに声をかけたけれど
「誘ったの、俺だから」
顔だけ振り返ってそう言ったあと、また前を向いて外へ出てしまった。
そのままあたしも外へ出るとすぐそこに和泉さんがいて。
「あの、お金……」
いくら誘われてきたからって、出してもらう理由もないし、何より家で一人寂しく過ごさなければならなかったかもしれない状況から救ってくれて助かったのも確かだから、ちゃんと払わなきゃと財布を広げながらそう言ったけれど
「ほんとに要らねぇから」
「でも……出してもらう理由もないし」
一歩も引かないあたしに、和泉さんは小さく息を吐いたあと
「じゃあ、次の時に出して」
「えっ!」
「つーか、どこにいく?」
さらっと『次の時に……』って言ったけれど、あたしたちの関係で次はあるの?
そしたら既に会計を済ませたあとで。
「あ、お金!」
店のドアをくぐって外へ出ようとしている和泉さんに声をかけたけれど
「誘ったの、俺だから」
顔だけ振り返ってそう言ったあと、また前を向いて外へ出てしまった。
そのままあたしも外へ出るとすぐそこに和泉さんがいて。
「あの、お金……」
いくら誘われてきたからって、出してもらう理由もないし、何より家で一人寂しく過ごさなければならなかったかもしれない状況から救ってくれて助かったのも確かだから、ちゃんと払わなきゃと財布を広げながらそう言ったけれど
「ほんとに要らねぇから」
「でも……出してもらう理由もないし」
一歩も引かないあたしに、和泉さんは小さく息を吐いたあと
「じゃあ、次の時に出して」
「えっ!」
「つーか、どこにいく?」
さらっと『次の時に……』って言ったけれど、あたしたちの関係で次はあるの?